21世紀は地球環境問題を全世界で議論し、地球規模で行動する世紀になりました。地球温暖化による異常気象、自然災害の多発、食糧・飲料水不足による争いが世界中で社会問題になっています。また、エネルギー資源確保のための国家間の紛争や環境汚染等、多くの困難な問題を抱えています。
日本は国土の約70%にも及ぶ豊かな森林と2万数千本の河川を有し、世界第6位の排他的経済水域にも恵まれ、豊かな水環境と水産資源を享受してきました。しかしながら、戦後の経済活動や快適な生活環境を優先するあまり、自然環境の保全がおろそかにされてきました。
このような経済活動や生活環境を継続していけば、未来を担う子どもたちに豊かな自然環境を残し、地域の再生、ひいては日本の再生を図ることが困難になるとの危機感を持たずにはおられません。
しかし、近年の学術研究の成果や実践活動により、豊かな山林が有する環境再生能力や落葉樹の腐葉土に含まれる有機酸やバクテリアの効能などがあきらかにされるとともに、上下水道の継続的な改善により日本の環境問題を改善するための明るい展望も見えています。
そこで、地球環境を構成している大気、土、水のなかで文明の発展にも不可欠であった水環境の再生を目的とした、「水環境再生山陰ネットワーク会議」の設立を発起いたしました。産官学民の連携をより強力的なものとして水環境再生活動に積極的に取り組み、社会、個人の環境意識を高めながら水環境や地域の再生に寄与したいと考えています。
水環境改善の行動はすでに多くの地域で始まっており、地域の特性や環境の違いもあることから、その活動方法は多様性を持っています。そこで、地域活動の方法を限定せず「内容や成果」について有益なことを共有することで、継続的な活動となることが必要と考えています。なかでも、最新の研究により発明・発見された手法を積極的に取り組み、残された時間と資源を効果的に活用し有識者の知見を最大限活用することで、効率的な環境改善を図ることもネットワーク会議の目的とします。